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施工品質・工事工程

外壁塗装の下地処理とは?ケレン・プライマー・フィラーを解説

こんにちは。

アップリメイクの齋藤直樹です。

見積書に「下地処理一式」とだけ書かれていると、どこまで作業してもらえるのか、ちょっと分かりにくいですね。

塗料の商品名は大きく載っているのに、その前に行う洗浄や補修については、ほとんど説明がないこともあるかもしれません。

私があなたに確かめてほしいのは、今の壁の何を直し、何を残して、その上へどの材料を重ねるのかという点です。

ケレン、プライマー、フィラーは、難しい名前を覚えるための言葉ではありません。

それぞれの役割が分かれば、必要な工程を省かず、反対に不要な工事まで増やさない見積もりの見方につながります。

完成すると見えなくなる、塗装の土台。

ここでは外壁の下地処理を、工程の意味、材料の違い、施工写真での確認方法まで順を追ってお話ししましょう。

  • 洗浄・補修・ケレンを行う目的
  • プライマーとフィラーの役割の違い
  • 外壁の材質に合う下地処理の考え方
  • 見積書と施工写真で確認したい内容

下地処理は塗装の土台をつくる工程

新しい塗膜が付く相手を考える

外壁塗装は、建物の表面へ新しい塗膜をつくる工事です。

ただ、塗料が接する相手は、いつも丈夫で清潔な外壁とは限りません。

表面に粉や汚れが残っていたり、以前の塗膜が浮いていたりすれば、新しい塗料だけを高性能にしても問題は残ります。

たとえるなら、はがれかかった古いテープの上に、よく付く新しいテープを貼るようなものですね。

新しい層の接着が良くても、その下がはがれれば一緒に外れてしまうでしょう。

そこで、塗装を受け止められる状態へ表面を整え、傷んだ箇所を直す作業が必要になります。

これが下地処理を省けない理由です。

ただし、古い塗膜を家全体から必ずすべて取り除く、という意味ではありません。

残せる塗膜と除去すべき塗膜を見分け、材料の適合性も確かめながら施工方法を決めます。

下地処理と下塗りは同じではない

見積書では「下地処理」「下地調整」「下塗り」が、少し異なる意味で使われる場合があります。

一般的には、汚れの除去、傷やひび割れの補修、研磨などを下地処理と呼び、その後に塗る材料を下塗り材と区別すると理解しやすいです。

もっとも、下塗り材自体が下地調整の機能を兼ねる製品もあり、言葉だけできれいに線引きできるわけではありません。

大切なのは、担当者とあなたの間で、含まれる作業が同じ意味になっていること。

「下地処理にひび割れ補修も入りますか」「下塗りの商品名は何ですか」と、実際の内容へ分けて質問してください。

項目名が違う二つの見積もりでも、工事内容は同じかもしれません。

逆に、同じ「下地処理一式」でも、補修の範囲や材料が大きく違うことは考えられます。

塗装前の作業を役割で分ける
作業・材料 主な役割 それだけでは解決しないこと
洗浄 表面の汚れや付着物を取り除く 割れや浮きの補修
ケレン・研磨 さびや不良塗膜を除去し、必要な表面状態に整える 部材自体の大きな腐食や欠損
補修材・パテ 適用範囲内の欠けや凹部を補修する 動く目地や構造上の問題
プライマー・シーラー 密着性の確保や吸い込みの調整などを担う 不良塗膜を残したままの安定化
フィラー 適した壁の下地調整や細かな凹凸への対応を担う すべてのひび割れや雨漏りの解消

洗浄で落とすものと残さないもの

汚れと劣化した表面を確認する

塗装前には、外壁のほこり、雨だれ、苔やカビなどの付着状態を確かめます。

手で触れたときに粉が付くチョーキングも、塗装前の診断で確認したい症状です。

汚れの種類や壁の傷み方に合わせて、洗浄の方法を選ぶ必要があります。

水圧を上げれば上げるほど良い、という作業ではありません。

傷んだ目地や開口部の近くでは、建物内部へ水を入れない配慮も欠かせないところです。

大きな隙間や雨漏りがある場合は、洗う前にどのような保護や処置をするか、工程の組み方から確認しましょう。

凹凸模様のある外壁を塗装前に高圧洗浄している様子

外壁に付着した汚れを取り除く高圧洗浄

写真は、凹凸模様のある外壁に付着した汚れを、塗装前の高圧洗浄で取り除いている様子です。

凹凸のある壁では平らな面と条件が異なりますが、この写真だけで水圧、薬剤、乾燥時間までは判断できません。

作業の存在を写真で確認し、具体的な設定や施工判断は記録と説明で補う考え方が役立ちます。

洗った直後に塗れるとは限らない

洗浄が終わって表面がきれいになると、すぐ次の作業へ進めそうに感じるかもしれません。

けれども、見た目の清潔さと、塗装できる乾燥状態は別の話です。

表面の水分だけでなく、目地や凹凸、傷んだ箇所の乾き方にも違いがあります。

日当たりが良い南面と、日陰の北面を、時刻だけで一律に扱うのは避けたいですね。

乾燥の確認方法や、雨が続いた場合の工程変更を、着工前に聞いておくと安心でしょう。

「翌日なら必ず大丈夫」といった固定の約束ではなく、使用材料と現場条件に合わせて進めてもらいます。

洗浄だけでは、はがれた塗膜やひび割れが直るわけではありません。

洗浄後には、汚れで見えなかった傷みが分かる場合もあります。

そこで見つかった補修を誰が判断し、追加工事が必要ならどの段階であなたに説明するのかも、先に決めておきましょう。

ケレン作業で何を取り除くのか

さび落としだけが目的ではない

ケレンは、さびや浮いた旧塗膜、付着物などを取り除き、塗装に適した表面へ整える作業です。

金属製の水切りやシャッターボックスなどで、見積書にこの言葉が出てくることがあります。

状態に応じて手工具や研磨材、動力工具などを使い分けますが、道具の大きさだけで丁寧さを判断することはできません。

細い縁や入り組んだ部分では、手作業で進めるほうが適切な場面もあるでしょう。

作業後に削りかすや粉が残っていれば、次の塗装へ進む準備はまだ整っていないことになります。

除去したものを清掃するところまで含めて、工程を確認してください。

外壁の金属製付帯部を研磨してケレン清掃する様子

付帯部表面をケレン清掃(清水区上清水町 M様邸)

こちらは、清水区上清水町のM様邸で、金属製付帯部の表面をケレン清掃している写真です。

外壁の大きな面だけでなく、こうした付帯部にも塗装前の準備があります。

なお、この一枚だけからケレンの等級や研磨材の種類まで決めつけることはできません。

現地での状態と、見積書の作業内容を対応させる資料として見ていきましょう。

全面除去と部分除去を分けて考える

旧塗膜に問題が少ない部位と、広く浮いている部位では、必要な処理範囲が違います。

残せる塗膜まで無条件に削り落とすことが、常に良い施工というわけではありません。

一方で、はがれかかった端だけを軽くこすり、浮いている範囲を残して塗れば、土台の問題が残ります。

どこまで除去するかは、表面の状態と採用する仕様に基づいて判断する内容です。

塗装前の近接写真に加えて、その部位がどこにあるか分かる写真も用意してもらうと、説明を追いやすいでしょう。

「見えるところはこすりました」ではなく、傷んでいた範囲へどのように対応したかを確認したいですね。

足付けとさび止めの役割も別

密着を助けるために表面を適切に研磨する作業は、足付けと呼ばれることがあります。

さびを取り除く作業と同時に行う場合もありますが、目的まで同じとは限りません。

その後に使用するさび止め塗料も、研磨そのものの代わりにはならない点に注意してください。

塗料の側に特別な適用条件がある場合を除き、必要な下地処理を行ったうえで材料を使うのが基本です。

金属が腐食して穴が開いていたり、固定部分が傷んでいたりすれば、塗る前に部材の補修や交換を検討します。

さびの上を色で隠すことと、部材を使い続けられる状態にすることを混同しないようにしましょう。

私なら、ケレンの有無だけでなく、どの部位に、どんな傷みがあり、どこまで処理するのかを説明してもらいます。

削る前に石綿への確認が必要

古い壁を自己判断で研磨しない

外壁材や古い仕上げ材を削る工事では、石綿の有無の確認を含め、安全面の準備が先です。

塗装という名前の工事だから関係ない、と考えないでください。

厚生労働省の案内では、外壁工事や塗装などの小規模な改修工事についても、原則として対象箇所の事前調査が必要とされています。

また、一定規模以上の工事に求められる行政への調査結果の報告と、事前調査そのものは別の扱いです。

報告の基準に届かない工事なら調査も不要、と読み替えることはできません。

出典:厚生労働省「小規模工事等の着工前に必要な手続きについて」

あなたが準備するものとしては、建物の図面、建築時期が分かる資料、外壁材の品番、以前の改修記録などが挙げられます。

不明な資料を無理に埋める必要はなく、何が残っているかを施工店へ伝えましょう。

現地調査を担当する体制や、調査の結果によって工法・費用が変わる場合の説明方法も確認したいところです。

調査と通常の劣化診断を混同しない

外壁の色あせやひび割れを見る診断と、石綿含有の有無を確認する調査は、同じ意味ではありません。

「壁を見てもらったから全部済んでいる」とせず、必要な調査がどのように行われるか聞いてください。

補修を安く済ませたい気持ちから、自分で表面を削って見せたり、欠片を取り出したりするのは避けましょう。

足場に上がって近くから確認することも、施主が引き受ける作業ではありません。

あなたは資料の提供や説明の確認を行い、現場の安全管理は工事の計画に組み込んでもらう、という役割分担が自然ですね。

下地処理の相談は、削り方を決める前の調査から始まります。

ひび割れと欠損は原因から補修

幅だけで補修方法を決めない

外壁のひび割れを見るときは、幅だけでなく、場所、長さ、深さ、周囲の浮き、過去の再発なども確認します。

細いから必ず放置できる、大きいから同じ補修材で埋めればよい、とは言い切れません。

窓の角から伸びる割れと、表面の仕上げ層に生じた細かな割れでは、確認したい内容が異なります。

雨染みや室内側の変化がある場合は、塗装の仕上がりだけで話を進めないことが大切です。

水の入り方や下地の傷みも調べ、補修方法と塗装方法を組み合わせて検討しましょう。

パテは何にでも使える材料ではない

外壁用のパテや補修材は、適用された下地の小さな凹みや欠けなどを整えるために使います。

室内用と屋外用を同じ感覚で選んだり、どの製品でも上から塗装できると考えたりしないでください。

補修する深さや面積、硬化後の性質、上塗りとの相性も、製品ごとに確認する事項です。

特に、動きに追従させる必要がある目地を、硬いパテで単純に埋める考え方には注意が必要になります。

材料を入れれば見た目は平らになるとしても、その場所が持つ役割まで置き換えられるとは限りません。

補修材の名前だけではなく、なぜそこに使うかを説明してもらいましょう。

模様を復元する工程も見積もりに入れる

凹凸模様のある外壁を部分補修すると、その箇所だけ平らになり、塗装後に目立つ場合があります。

色が同じでも、光の当たり方や影の出方が違えば、補修跡として見えてしまうわけです。

必要に応じて既存の模様へ近づける工程を検討しますが、古い壁と完全に同一の見え方になると約束できるものではありません。

道路から見える面なのか、普段は目に入りにくい面なのかによっても、あなたの許容できる範囲は変わるでしょう。

補修跡の見え方を後から初めて知ることがないよう、仕上がりの説明を事前に受けてください。

見えなくするだけでなく、直した場所が再び傷まないよう考える補修。

プライマーとシーラーの違い

名前よりも製品が担う役割を見る

プライマーは、主に下地と次の材料の密着を助けるために用いる下塗り材です。

シーラーは、下地の吸い込みを調整したり、密着性を確保したりする目的で使われます。

ただし、製品名と機能が一対一で決まっているわけではなく、両方の役割を兼ねた製品もあります。

透明だからシーラー、白いからプライマー、と見た目だけで見分けることはできません。

塗り替える外壁の材質と既存塗膜に対して、その製品が何を担うかを説明してもらうのが確実です。

サイディング外壁に下塗り材をローラー施工する職人

サイディング外壁の下塗り施工(清水区上清水町 M様邸)

写真は、M様邸のサイディング外壁に、下塗り材をローラーで施工している様子です。

下塗りをしたことは読み取れますが、この写真だけで材料名や必要な使用量まで確認できるわけではありません。

材料缶の表示、採用仕様、作業範囲が分かる記録と合わせて見てください。

吸い込みと密着の問題を分ける

下地の吸い込みが不均一だと、上から塗る材料の仕上がりにも影響することがあります。

そこで、必要な下塗りによって塗装しやすい状態へ近づけますが、回数を増やせば無条件に良いという話ではありません。

反対に、吸い込みが少ない表面でも、塗料が十分に密着するかは別に確認が必要です。

新築時の特殊な表面処理や、以前使った塗料の種類が関係することもあるため、外壁の品番や施工履歴が役立ちます。

「サイディング用だから全部大丈夫」という説明ではなく、その壁へ適用できる下塗りかを確認しましょう。

シーリングのプライマーは別用途

目地のシーリングを施工する前にも、プライマーという材料が使われます。

こちらは目地の接着面とシーリング材の密着を助けるためのもので、外壁全面の下塗りと同じ作業ではありません。

見積書に「プライマー塗布」とあっても、何の材料のためなのかを確認する必要があります。

外壁目地にシーリング用プライマーを塗布している様子

シーリング材の密着性を高めるプライマー塗布

この写真は、外壁目地へシーリング用プライマーを塗布している場面です。

外壁用の下塗り写真と並べると、同じ名前でも施工する場所が異なることが分かるでしょう。

壁面の塗装と目地の補修を、一つの言葉で済ませずに確認しておきたいですね。

「プライマーを使います」と聞いたら、壁面用か目地用か、その材料の正式名まで聞いてみてください。

フィラーと微弾性の考え方

凹凸の調整と追従性を区別する

フィラーは、適用する壁の下地を調整し、細かな凹凸などに対応する材料です。

微弾性フィラーは一定の柔軟性を持つものですが、「微弾性」という言葉だけで、あらゆる割れを直せると考えないでください。

動きが続くひび割れ、浮いた下地、大きな欠損に対しては、その原因と程度に応じた補修が先になります。

上から厚く塗って見えなくすることと、下地を適切に補修することは違うのです。

シーラーを兼ねる製品もある

下塗りの名前が多いと、プライマー、シーラー、フィラーを全部重ねなければならないと思うかもしれません。

実際には、複数の機能を兼ねる製品があり、採用する仕様により組み合わせは変わります。

一例として日本ペイントのアンダーフィラー弾性エクセルは、シーラーとフィラーの機能を兼ね、ヘアクラックへの追従性を持つ製品として案内されています。

同じ製品資料には適用下地や上塗り材も示されており、「下塗りなら何でも合う」という扱いではありません。

出典:日本ペイント「アンダーフィラー弾性エクセル」製品情報

ここで注目したいのは、下塗りの種類が多いほど高品質というわけではない、という点です。

必要な機能を満たす組み合わせになっているかどうかで判断しましょう。

厚塗りと薄塗りは仕様で決まる

同じ下地調整材でも、仕上げる模様や施工方法によって、必要な使用量が違う場合があります。

先ほどの製品も、平滑な仕上げとなみがた模様では施工条件が分かれています。

そのため、缶数だけを別の家と比べたり、どの工法でも同じ量になると思ったりするのは適切ではありません。

外壁の面積、表面の凹凸、採用工法に照らして、計画量と施工内容を説明してもらってください。

微弾性が向かない組み合わせも考える

柔らかさがある材料なら、どの壁にも安心して使えるというわけではありません。

下地の種類や既存塗膜、上に重ねる塗料との適合性が前提です。

水分の影響や既存仕上げの状態まで含めて、採用できる仕様を判断します。

「微弾性は必須」「微弾性はすべて不可」と、材料名だけで決める説明には立ち止まりたいですね。

あなたの家のどの条件が、その提案につながっているかを尋ねましょう。

外壁材によって準備は変わる

サイディングは表面と目地を確認

サイディングの塗り替えでは、表面の塗膜だけでなく、継ぎ目や窓まわりのシーリング、板の反りや割れも確認します。

木目調サイディングの目地から古いシーリング材を撤去した状態

サイディング目地の古いシーリング材を撤去

表面がきれいに塗れても、板自体の傷みや固定の不具合が解消されるわけではありません。

目地の補修と外壁塗装の順番も、シーリング材や仕上げ方の条件に合わせて決める内容です。

色付き塗装と透明なクリヤー仕上げで、同じ工程がそのまま使えるとは考えないでください。

仕上がった後の目地の見え方まで、見積もりの段階で共有しておきましょう。

モルタルは割れと浮きを見分ける

モルタルの壁では、ひび割れのほか、表面の浮きや欠損、以前の補修跡も見たいところです。

見た目だけを均す補修でよいのか、傷んだ部分を取り除いて直す必要があるのか、現場の状態で変わります。

家全体へ同じ補修方法を当てはめるのではなく、症状ごとに必要な処置を分けて説明してもらうと理解しやすいでしょう。

新しく補修した部分と古い部分で吸い込みや模様が違う場合は、その後の下地調整も一緒に考えます。

金属や木部は外壁と分けて計画

外壁と同時に塗る雨戸、水切り、木部なども、それぞれに合う準備が必要です。

壁面の下塗り材を、家のあらゆる部位に共通で使えるとは限りません。

金属なら材質や腐食の状態、木部なら傷みや既存仕上げを確かめ、塗装で対応できる範囲を検討します。

材料が違うものまで一つの「外壁塗装」に含めて考えると、準備の説明が抜けやすくなるでしょう。

見積書では、壁面と付帯部を分けて読むのがおすすめです。

部位ごとに聞いておきたいこと
部位・症状 確認する内容 残したい記録
サイディング表面 既存仕上げと下塗りの適合性 材質・品番と採用材料
モルタルのひび割れ 補修範囲と選定理由 補修前・補修中・補修後
金属製付帯部 腐食の程度とケレン範囲 除去後の状態と下塗り
外壁目地 シーリングの工法と施工順序 撤去・下準備・充填後
過去の補修跡 再発や浮きの有無 今回補修する範囲の図示

見積書の下地処理一式を読み解く

数量が違う理由まで確認する

下地処理の費用は、壁の面積だけでなく、傷みの種類や範囲、必要な作業により変わります。

ひび割れを長さで計上する場合もあれば、部分補修を箇所数で示す場合もあるでしょう。

単位が異なる金額を、そのまま安い高いと比較しないようにしてください。

下塗りに補修費用が含まれる見積もりと、補修が別項目になっている見積もりも、そのままでは比べられません。

どの作業まで含まれているかを合わせてから、金額を見ていきます。

確定できない補修は扱いを決める

足場を組んだ後や洗浄後に、地上からは分からなかった傷みが見つかる場合があります。

その可能性を考えることと、何でも追加請求できる契約にすることは別です。

事前に想定できる補修、現場を開けてから判断する補修、追加時の単価や承認手順を分けてください。

写真で状態を説明し、範囲と費用について合意してから着手する流れにしておくと、話の食い違いを抑えやすくなります。

緊急に安全確保が必要な場合の連絡方法も、あわせて決めておきたいところです。

塗料代だけを削らない比較をする

予算の調整が必要なとき、下地処理は完成後に見えないから減らしてよい、とは考えないでください。

必要な補修や洗浄を外して上塗りの等級だけを保っても、家の状態に合った工事にはなりません。

工事の範囲、仕上げ方、塗料の選択などを比較し、必要な下地処理を残した計画にしたいですね。

「下塗りが一回多いから良い」という単純な足し算でもなく、なぜ追加が必要かまで説明を受けましょう。

予算を調整するときも、必要な補修を隠れた値引き項目にしないことが大切です。

施工写真は工程をつないで確認

材料缶の写真だけでは足りない

工事写真に塗料缶が写っていれば、使用を予定した材料の確認に役立ちます。

しかし、缶の写真だけで、その材料をどの面へどれだけ使ったかまで証明できるわけではありません。

作業前の状態、準備中、塗布中、完了後がつながる記録と合わせて確認する必要があります。

同じ部位を追える全景と近接写真があると、初めて見るあなたにも分かりやすいでしょう。

見えなくなる工程だからこそ、写真の枚数より内容に目を向けてください。

乾燥時間は写真以外の記録も使う

下塗りの表面を触れる状態と、次の材料を重ねられる状態は、必ずしも同じではありません。

必要な塗り重ね時間は製品や現場条件によって異なるため、見た目だけで判断するのは避けます。

施工日、作業内容、天候などの記録があれば、工程表と照らして説明を受けやすいです。

工程の変更があった際は、最初の予定表だけでなく、実際にどう進めたかも残してもらいましょう。

写真には得意な確認と、写らない確認の両方があります。

仕上がる前の疑問をその場で伝える

完成後に下地の状態が見えなくなる以上、気になったことは作業中に窓口へ伝えるのがよいでしょう。

ただし、施主が足場へ上がったり、職人の作業を止めて独自の試験をしたりする必要はありません。

「このひび割れはどのように補修しましたか」「写真の白い材料は何ですか」と、確認したい箇所を具体的に伝えてください。

担当者が説明をまとめ、必要な写真や記録を示す形なら、安全と作業の流れを両立しやすくなります。

塗り終わった色だけでは分からない、工程のつながり。

着工前に共有する確認メモ

家の情報と心配な場所を渡す

あなたが事前に用意するメモは、専門用語で書く必要はありません。

「この角の割れが前より長い気がする」「以前ここだけ補修した」「雨の日に室内側へ染みが出た」といった事実で十分です。

分かる範囲で時期や場所を記し、安全に地上から撮影できる写真があれば添えてください。

以前の塗料の資料や工事報告書が残っている場合は、下塗りを選ぶ際の参考になります。

記憶が曖昧な点は曖昧なまま伝え、材質や原因を自分で断定しないようにしましょう。

完了時にもらうものを先に決める

塗装が始まる前に、工事後に受け取れる報告書の内容を確認しておくと、必要な記録を残しやすいです。

使用材料の正式名、施工部位、補修範囲、主な工程写真、追加変更の内容などが、あとで振り返る手掛かりになります。

材料名だけでなく、今回直した場所の説明も残ると、次の点検で同じ箇所を比較できるでしょう。

保証がある場合は、対象となる不具合や除外事項、連絡方法も別途確認してください。

下地処理を行ったという事実だけから、すべての劣化が保証されると考えないことが大切です。

私は、工事が終わったあとにも「どこをどう直したか」が分かる状態を大事にしたいと考えています。

下地処理のよくある質問

Q1. ケレンなしの見積もりは手抜き?

A. 記載がないだけで、すぐ手抜きとは判断できません。

別の項目に含まれている場合もあるため、対象部位と作業内容を確かめてください。

必要な表面処理を行わない説明なら、その理由を聞く必要があります。

金属部も含む工事なのに、準備の内容を説明してもらえないまま契約するのは避けたいですね。

Q2. 下塗りは必ず白い色になりますか?

A. 白くなるとは限りません。

透明な材料もあり、製品や仕様によって色は異なります。

色だけで下塗りの有無を判定せず、材料名、塗布工程、作業写真を組み合わせて確認しましょう。

目地用のプライマーを塗った写真だけで、外壁全面の下塗りも済んだと考えないようにしてください。

Q3. 微弾性フィラーで雨漏りは直る?

A. フィラーを塗るだけで、雨漏り全体を解決できるとは考えないでください。

雨水の入口や通り道、下地の傷みがどこにあるかで必要な処置は変わります。

細かな割れへの追従性と、建物の雨漏り修理は同じ意味ではありません。

雨染みなどがあれば、その情報を伝えて原因の確認から計画します。

Q4. 自分で下地処理だけしてもよい?

A. 外壁や古い塗膜を削る作業は、自己判断で行わないでください。

石綿への確認、高所作業、下地を傷める可能性など、塗装前に判断すべきことがあります。

あなたが準備するなら、図面や過去の工事資料、気になる箇所のメモが役立ちます。

施工店が行う処理範囲と役割を、着工前に確認しておきましょう。

見えない工程まで納得できる塗装へ

外壁塗装の下地処理は、きれいな色を塗るためだけの準備ではありません。

今の壁の状態に合わせて、洗浄、補修、ケレン、下塗り材の選定をつなぎ、塗装を受け止められる土台を整える工程です。

プライマーやフィラーという名前をすべて覚えなくても、どの部位の何に対応する材料なのかが分かれば、見積書の読み方は変わります。

上塗り塗料の商品名と同じくらい、完成後に隠れる作業にも目を向けてください。

アップリメイクでは、外壁の傷み方や以前の施工状況も伺いながら、必要な補修と塗装の進め方をご相談いただけます。

見積書の下地処理の内容が分かりにくい場合も、気になる箇所や手元の資料をお持ちください。

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株式会社アップリメイクの代表取締役社長の斎藤直樹

斎藤直樹

株式会社アップリメイク代表取締役の斎藤直樹です。元塗装職人として培った現場経験と、1級塗装技能士(建築塗装作業)などの専門知識を生かし、建物の状態やご予算に合った、分かりやすく誠実なご提案を大切にしています。 塗装の仕事が大好きで、地元・静岡のお客様に「アップリメイクに頼んでよかった」と笑顔になっていただくことが何よりの喜びです。外壁塗装・屋根工事の施工事例や、住まいを長持ちさせるための情報を発信しています。 主な保有資格:1級塗装技能士(建築塗装作業)・2級建築施工管理技士・有機溶剤作業主任者技能講習修了・危険物取扱者 乙種第4類 ほか

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