こんにちは。
アップリメイクの齋藤直樹です。
外壁の塗り替えを考えていたのに、屋根にはカバー工法や葺き替えが必要だと言われると、予算の立て方が大きく変わります。
ここで確かめたいのは、屋根工事の金額よりも先に、今の屋根を塗って使い続けられる状態なのかという点です。
塗装で保護できる屋根を急いで交換する必要はありません。
逆に、屋根材や下地の傷みを塗装で隠しても、必要な修理を終えたことにはならないでしょう。
この記事では、外壁塗装と屋根改修を組み合わせるときの費用の見方、工法ごとの違い、見積書に残しておきたい条件を具体的に説明します。
- 屋根塗装・カバー工法・葺き替えの違い
- 外壁塗装と同時に行う費用の計算方法
- 下地や重量から工法を選ぶ判断基準
- 追加費用と次回メンテナンスの確認点
工法を決める前に確認すること
外壁塗装と屋根改修は一緒に契約できますが、必要性の判断までひとまとめにするものではありません。
屋根の状態を「表面」「屋根材」「その下」の三つに分けて考えると、提案の意味が見えてきます。
色あせだけで交換を決めない
屋根の色が薄くなっていても、それだけでカバー工法や葺き替えが必要とは判断できません。
表面の塗膜が傷んでいるのか、屋根材に割れや層状の剥離が起きているのかでは、対処が異なるためです。
塗装を検討できるのは、既存の屋根材が再塗装に適し、補修後も屋根として使える状態を確保できる場合になります。
屋根材の種類や製造時期が分からないときは、建築図面、仕様書、過去の工事記録も照合してください。
見た目が似たスレートでも、同じ方法で塗装してよいとは限らないんですね。
「古いから交換」という説明だけで進めず、どの症状が塗装では対処できないのかを写真で示してもらいましょう。
雨漏りの入口と出口を分ける
天井に染みが出ている場合、室内で見える場所の真上が雨水の入口とは限りません。
屋根と壁の取り合い、天窓の周囲、板金の継ぎ目などから入り、別の位置へ水が移動することも考えられます。
塗装は表面を保護する工事であり、雨水の経路や傷んだ防水紙を一律に直す工事ではない点に注意が必要です。
雨漏りの発生時期、風向き、雨の降り方、過去の補修箇所を伝えると、調査の手掛かりになります。
屋根全体の改修が必要なのか、接合部の修理で対応できるのかを分けて検討してください。
濡れた屋根や小屋裏へ自分で無理に上がらず、地上や室内の安全な場所から確認できる記録を残しましょう。
工事前の住宅全体の写真は、外壁と屋根の位置関係を把握する資料の一つです。
ただし、この距離の写真だけで屋根内部の状態や必要な工事費まで読み取れるわけではありません。
外壁と屋根を別々に診断する
外壁が塗り替え時期でも、屋根は数年前に改修済みという住宅があります。
この場合、足場を組むからという理由だけで屋根まで再施工するのは合理的とはいえないでしょう。
反対に、外壁は表面保護で対応できても、屋根は下地から直す必要があるかもしれません。
私は、同じ日に工事をするかどうかと、同じ種類の工事をするかどうかを分けて考えます。
外壁には塗装、屋根には葺き替えという組み合わせも、状態に合っていれば自然な選択です。
塗装部分の基本的な費用は、外壁塗装・屋根塗装の料金と工事内容も参考にしながら、屋根改修分とは別の明細で確認してください。
屋根を塗らない提案にも、屋根を交換しない提案にも理由が必要です。
工法名を先に決めるのではなく、残せる部分と直す部分が写真で分かる説明を大切にしてください。
三つの工法と費用の違い
工法の違いは、上から何を塗るかではなく、既存の屋根をどこまで残すかにあります。
初期費用の大小だけでなく、工事で解決できる範囲を比べることが出発点です。
塗装は既存屋根を保護する工事
屋根塗装では、洗浄や適切な下地処理を行い、屋根材に合う下塗り材と上塗り塗料で表面を保護します。
屋根材を大きく撤去しないため、健全な屋根を維持する目的なら、改修工法より費用を抑えやすい選択肢です。
一方で、塗ったからといって屋根材の割れや下地の腐食が元に戻るわけではありません。
塗装前の補修がどこまで含まれるか、再塗装が適さない部材ではないかを確かめましょう。
スレートの重なり部分には排水に配慮した処理が必要になる場合もあります。
仕上がりの色や艶だけでなく、その屋根に必要な施工仕様が見積書に書かれていることが大切です。
写真はスレート屋根への下塗り工程を示しています。
ここで見たいのは塗装工程の一例であり、別の屋根も同じ仕様で塗れるという意味ではありません。
カバー工法は上に重ねる工事
カバー工法は、既存屋根を主に残し、その上へ新しい防水層や屋根材を施工する方法です。
既存屋根材の全面撤去を避けられるため、撤去・処分の負担を抑えられる場合があります。
それでも棟板金など一部の撤去、下地の調整、周辺部材の施工がなくなるわけではありません。
「撤去不要」という言葉を、どの部材も触らず上から載せるだけだと受け取らないでください。
新しい屋根をきちんと固定できる下地、既存屋根の形状、建物が追加重量を受けられるかが判断条件です。
工事後に見えなくなる既存屋根の状態ほど、着工前の説明を丁寧に残しておきましょう。
葺き替えは屋根を撤去して改修
葺き替えは、既存の屋根材を取り外して新しい屋根材へ交換する工事です。
撤去した状態で下地を確認でき、必要に応じて防水紙や野地板も補修・更新する計画を立てられます。
ただし、葺き替えという名称だけで、野地板を必ず全面交換するとは限りません。
既存野地板を残すのか、増し張りするのか、傷んだ部分を交換するのかによって内容も費用も変わるでしょう。
下地に広く傷みがある場合や、既存屋根の形状・重量から重ね葺きが適さない場合は、有力な候補です。
撤去費、処分費、養生、下地補修を別々に確認すると、塗装やカバー工法との価格差が理解しやすくなります。
| 比較項目 | 屋根塗装 | カバー工法 | 葺き替え |
|---|---|---|---|
| 既存屋根材 | 基本的に残す | 主に残して上に重ねる | 撤去して交換する |
| 下地の確認範囲 | 表面調査中心 | 残す部分の確認に制約 | 撤去後に確認しやすい |
| 初期費用の考え方 | 塗装可能なら抑えやすい | 新設材と周辺加工が必要 | 撤去・処分・下地費も必要 |
| 選ぶ前提 | 再塗装できる健全性 | 固定下地・形状・重量の適合 | 必要な交換範囲の明確化 |
この表は一般的な工事範囲の比較で、全国共通の価格順位や耐用年数を保証するものではありません。
特殊な屋根形状や大量の補修があれば、一般的な大小関係が変わることもあります。
同時施工の費用を読み解く
外壁塗装と屋根改修を合わせた費用は、外壁側の工事、屋根側の工事、共通の仮設費に分けると比較しやすくなります。
「一式でいくら」という数字だけでは、工法による差と建物条件による差を区別できません。
公開料金と個別見積もりの境界
アップリメイクの公開料金では、外壁塗装の高耐久シリコンプランは30坪で税込638,000円から、40坪で税込715,000円からを目安にしています。
これは掲載プランの条件に基づく参考金額であり、どの住宅でも同じ価格になるという意味ではありません。
屋根カバー工法や葺き替えの費用を、その塗装料金に一定額を足すだけで決めることはできないんですね。
屋根面積、勾配、既存材、撤去範囲、下地、板金の長さを調べてから積算する必要があります。
ネットで見た合計相場を使う場合も、外壁だけの金額か、屋根と足場まで含む金額かを確認しましょう。
少なくとも工法と施工面積が違う見積もり同士を、総額だけで高い・安いと比較するのは避けてください。
合計価格は共通費を二重にしない
外壁塗装のパックに足場が含まれ、屋根工事の見積書にも足場が計上されている場合は、共用部分の扱いを確認します。
二つに記載があるだけで二重請求とは断定できませんが、何のための費用かが分かる説明は必要です。
外周足場と屋根上の作業用足場、資材の荷揚げ設備は、用途が別になる場合もあるでしょう。
削除できるのは重複する費用であり、安全な作業に必要な設備そのものではありません。
同時施工による減額と、屋根工事の追加設備による増額を、分けて示してもらってください。
値引き率の大きさより、共用できる工事が適切に共用されているかを見ることがポイントです。
比較用の仮定計算
仮に、外壁塗装等が80万円、屋根カバー工事が140万円、共通仮設費が20万円という税を含む条件を置くと、合計は240万円です。
同じ外壁・共通仮設の条件で、撤去や下地補修を含む屋根葺き替え工事を190万円と仮定すれば、合計は290万円になります。
この計算は工事項目の分け方を示す仮定であり、施工事例、販売価格、地域相場ではありません。
公開プランをそのまま分解した金額でもないため、実際の見積額を当てはめて比較してください。
二案の差は50万円ですが、この差に何が含まれているかを読むことが重要です。
撤去して下地を直す必要がある家では、差額を節約するために不適合なカバー工法を選ぶことはできません。
反対に、健全な下地を残せる家なら、葺き替えの追加費用で得られる利益を具体的に確認したいところです。
坪数より屋根の形と面積を見る
延べ床面積が同じ住宅でも、平屋と総二階では屋根の面積が大きく異なります。
屋根の傾きが大きい場合も、真上から見た面積と実際に施工する面積は一致しません。
見積書には、屋根材を施工する面積と、棟や軒先など長さで計算する部材を分けて記載してもらいましょう。
凹凸の多い屋根は切断や接合の箇所が増え、単純な形の屋根と同じ平米単価にならないことがあります。
面積だけを合わせても、天窓や谷、下屋が多ければ比較条件は同じではないのです。
建物の大きさを伝える段階では坪数が便利ですが、契約する段階では実測数量が基準になります。
見積もりを比較するための共通の物差し。
その物差しは、住宅の坪数だけでなく、屋根面積と部材ごとの数量です。
カバー工法を選べる条件
既存屋根を残す工法には、残した部分が新しい屋根を支え続けられるという前提があります。
費用を抑えたい場合ほど、この前提を省かないでください。
下地が固定に耐えられるか
屋根材を固定する相手は、表面の塗膜ではなく、その下にある下地です。
野地板に腐朽や著しい傷みが疑われる場合、上に新しい屋根を載せるだけでは問題を解決できません。
小屋裏から確認できる範囲、既存材の状態、必要な部分調査を組み合わせて、残せる根拠を示してもらいましょう。
調査で確認できなかった範囲まで「問題なし」と決めつけない姿勢も大切です。
追加調査の条件と、着工後に傷みが見つかった場合の対応を契約前に決めておくと、工事中の判断に迷いにくくなります。
既存材を残すこと自体を目的にせず、新しい屋根を適切に支えられるかで選んでください。
形状と重量を製品ごとに照合
カバー工法は、すべての屋根に同じように使える万能な工法ではありません。
凹凸の大きい既存材、屋根の勾配、過去の重ね葺き、周囲の納まりによっては別の方法が必要です。
軽量な金属屋根材でも、既存屋根を残したうえに新しい部材が加わるため、荷重がゼロになるわけではないでしょう。
施工前後の屋根重量を、屋根材単体ではなく下葺き材や下地材も含めて説明してもらってください。
屋根材メーカーのアイジー工業も、重ね葺きの仕組みとともに、既存屋根の形状によって施工できない場合があることを案内しています。
メーカーの製品説明は、その製品と施工条件についての情報です。
別の屋根材へ数値や保証をそのまま当てはめず、採用する製品の仕様で比較しましょう。
防水紙と端部の施工を確認
カバー工法では、新しい屋根材の下に施工する防水紙も重要な部材になります。
屋根材の名前だけが有名でも、防水紙の種類や重ね方、壁際での立ち上げが不明では工事内容を十分に確認できません。
どの下葺き材を使うか、既存屋根にどう施工するか、端部をどう納めるかを質問してください。
仕上げると見えなくなるため、工程写真を残す意味が大きい部分です。
外壁塗装と同時に行うなら、屋根と外壁が接する部分をどの順序で施工するかも確認しましょう。
塗装担当と屋根担当の作業範囲に隙間ができないよう、取り合い部分の責任者を決めておくことが欠かせません。
写真は、清水区上清水町のM様邸で屋根全面へ粘着ルーフィングを施工した状態です。
完成後の屋根色だけでは分からない、下葺き工程の記録として見てください。
重ねる屋根材の性能がよくても、支える下地や雨水を流す端部の処理が合っていなければ安心にはつながりません。
私は、見えなくなる場所の説明と写真がそろっているかを重視します。
葺き替え費用が増える理由
葺き替えの金額には、新しい屋根の材料代に加えて、古い屋根を外し、下地を確認して直す費用が含まれます。
この部分を細かく読むと、必要な増額と説明不足の増額を分けられるでしょう。
撤去と処分の条件をそろえる
既存屋根材の種類や量によって、撤去方法や搬出・処分の条件は変わります。
敷地に資材搬出車両を近づけられるか、道路との高低差があるか、養生範囲をどこまで確保するかも工事の手間に関わる要素です。
「撤去処分一式」とある場合は、何を何平方メートル撤去するのかを確認しましょう。
棟板金、既存防水紙、下地材などが対象に含まれるかで、同じ一式でも内容は違います。
石綿を含む建材への対応が必要な場合は、通常の撤去と同じ条件では比較できません。
廃材を出さない工法と、必要な廃材を適切に処分する工法は、別々の役割を持っているのです。
野地板の補修方法で差が出る
野地板は、屋根の下で屋根材や防水紙を支える板状の下地です。
雨水の浸入で傷んでいるときは、傷んだ範囲を確認して補修方法を決めます。
部分交換、全面交換、既存下地への増し張りは、それぞれ同じ工事ではありません。
残す下地があるなら、その状態と固定方法を説明してもらってください。
全面更新を提案されたときも、どこまで傷みが広がっているのか、なぜ部分補修では足りないのかという根拠が必要です。
見えない範囲がある段階では、確定金額と追加の可能性を分けた見積書のほうが、後から説明が変わる見積書より判断しやすいでしょう。
追加費用の上限と手順
撤去後に初めて分かる傷みについては、写真の提示、補修方法の説明、追加金額の承認という手順を事前に決めておきます。
連絡が取れないまま工事を進めないよう、連絡先と回答方法も共有してください。
雨養生などその場で必要な安全措置と、金額の大きい仕様変更は分けて扱うべきです。
「追加が出たら相談」だけで終わらせず、数量単価や概算の範囲をどこまで示せるか尋ねましょう。
その準備があれば、想定外の傷みが見つかっても、理由の分からない請求を受け入れる必要はありません。
石綿の事前調査を省かない
古い屋根材などを解体・改修する際は、工事に関わる建材の石綿含有の有無を事前に調べる必要があります。
厚生労働省の案内では、対象となる解体・改修工事の規模の大小にかかわらず事前調査が必要とされ、調査を行う人にも要件が定められています。
「カバー工法なら撤去しないので石綿は一切関係ない」と単純に片付けないでください。
既存材に手を加える作業の内容まで確認し、必要な調査や施工時の対策を見積もりに反映させることが大切です。
出典:厚生労働省・石綿総合情報ポータルサイト「改修・リフォーム業者のみなさまへ」。
調査が必要であることと、石綿を含むと確定していることは別の話です。
見た目や築年数だけで含有を断定したり、調査の必要性を省いたりせず、調査結果と工事計画の対応を確かめましょう。
石綿の確認のために、屋根材を自分で削る、割る、持ち帰るといった行為は避けてください。
建材情報や図面を用意し、調査者が適切な方法で確認できるようにすることが施主側の準備です。
板金と設備も見積もりに含める
屋根改修では、屋根面の材料だけを比較しても完成に必要な費用は分かりません。
屋根の端、頂部、設備との接点を確認すると、見積書に抜けやすい項目が見つかります。
棟・谷・壁際は長さも確認
棟は屋根の頂部、谷は屋根面から流れた水が集まる部分です。
壁際や軒先も含めて、新しい屋根材に合わせた板金の形状や施工が必要になります。
同じ屋根面積でも、棟や谷が長い住宅は必要な部材や加工が増えることがあるでしょう。
屋根面の平米単価に含むのか、長さに応じて別計上するのかを見積書で確かめてください。
既存板金を再利用する場合は、その状態と新しい屋根との適合性を確認したいところです。
表から見えにくい接合部の処理まで確認してこそ、工法を比較する意味があります。
M様邸の写真では、セネター屋根の棟板金を施工している途中の状態を確認できます。
この工程写真から説明できるのは棟まわりの施工であり、別の建物の工事金額や保証条件まで同じになるわけではありません。
天窓と太陽光設備の扱い
天窓がある場合は、残して周囲を納め直すのか、交換するのか、撤去して屋根に戻すのかを決める必要があります。
天窓自体の状態と、周辺の雨仕舞いの状態は別々に確認してください。
太陽光設備が載っている屋根では、設備の脱着、配線、架台、防水処理、再設置後の確認が関わる場合もあります。
屋根工事の会社だけで完結するか、設備の施工店との調整が必要かも早めに確かめましょう。
発電設備の保証や点検条件を確認せずに、現場判断だけで脱着を進めるのは避けたいところです。
使い続ける設備と更新する屋根の取り合いが決まらなければ、正確な合計金額も決まりません。
雨樋と破風板の工事境界
屋根材を重ねると、軒先での雨水の流れ方や納まりを確認する必要が生じます。
既存の雨樋をそのまま使う計画でよいか、調整や交換が必要かを屋根工事の担当者に確認してください。
雨樋を塗る費用と、勾配を直す費用、部材を交換する費用は別物です。
破風板や軒天に傷みがある場合も、塗装で対応する範囲と大工補修が必要な範囲を分けましょう。
外壁塗装側の見積もりに含まれている付帯部と、屋根改修側の作業が重ならないかの確認も欠かせません。
小さな部位まで契約時に役割を決めておくと、仕上げ直しや追加工事の行き違いを減らせます。
屋根面だけでは見えない、接点まで含めた工事計画。
同時施工の利点は、その接点をまとめて検討できることにもあります。
初期費用と維持費を比較する
工法の選択では、今回の支出を抑えることと、将来の支出を抑えることが一致しない場合があります。
何年住み続ける予定かを考えながら、点検・補修・更新を含む計画で比べましょう。
耐用年数と保証年数は別物
カタログに記載された耐候性の目安や試験結果は、そのまま建物全体の無補修期間を表すものではありません。
屋根材の表面、金属基材、防水紙、板金の接合部、固定部は、それぞれ確認する項目が異なります。
保証についても、材料に対する保証と、施工に起因する不具合への保証を分けて読んでください。
何が起きたとき、誰が、どの範囲を対応するかが分からないまま、年数だけを比べるのは避けましょう。
たとえば塗膜の変化が保証対象外でも、穴あきなど別の項目には条件がある場合があります。
採用製品と工事契約の両方で、対象・免責・点検条件を確認することが重要です。
次の工事までの計画を比べる
比較表には、今回の工事費だけでなく、将来の点検、部分補修、再塗装、最終的な更新を記入します。
カバー工法では既存屋根を残すため、将来の撤去時に複数の層を扱う可能性も計画に入れておきたいところです。
葺き替えも、その後の点検や補修が不要になる工事ではありません。
同じ検討期間にそろえ、必要な作業を省いていないかを確かめましょう。
将来の金額は物価や劣化の進み方で変わるので、一つの数字だけを確定額のように扱わないでください。
「この程度の補修が必要になったらどうするか」という幅を持たせると、予算に合う選択を検討できます。
長持ちする材料を選ぶことと、点検をしなくてよいことは同じではありません。
初期費用に差があるときは、次回の作業と保証条件まで並べると、その差に納得できるかが見えてきます。
足場共用だけで工事を増やさない
屋根改修と外壁塗装を同時に行えば、外周足場や近隣への案内を共用できる場合があります。
とはいえ、外壁がまだ健全なのに、足場代の節約だけを理由に全面塗装を追加すると、支出全体は増えるかもしれません。
同時施工案と、必要な工事だけを先にする案の両方を出してもらいましょう。
建物の保護に直結する雨漏りや腐食への対応を優先し、見た目の変更を後に回す考え方もあります。
部分補修を選ぶ場合は、どの症状が出たら再点検するかを決めておくと放置になりません。
足場を一回で済ませることより、今の建物に過不足のない工事をすることが大切です。
契約から完成確認までの進め方
工法と予算が決まった後も、工程の調整と記録の残し方で安心感は変わります。
完成写真だけでは確かめにくい部分を、施工前から確認できる形にしておきましょう。
外壁塗装との工程を合わせる
屋根の撤去、下葺き、屋根材施工、外壁の洗浄・補修・塗装は、それぞれ作業条件が違います。
屋根を施工した後に外壁を洗浄する場合も、施工した部分へ影響が出ないよう、順序と養生を計画する必要があるでしょう。
決まった一つの順序がすべての住宅に当てはまるわけではありません。
作業範囲が重なる場所や、雨が予想される日の対応を、工程表で確認してください。
塗装には乾燥時間、屋根工事には日々の雨養生が関わるため、人数を増やせばすべて短縮できるものでもないのです。
工期に余裕を持たせる理由が分かれば、単に遅い工事なのか、必要な工程なのかを区別しやすくなります。
工程写真と変更記録を受け取る
記録しておきたいのは、既存屋根の状態、撤去後の下地、補修箇所、下葺き材、板金、屋根材の施工状況です。
写真の枚数だけでなく、どこを写したものか説明が付いていることが役立ちます。
着工後に工法や補修範囲を変えた場合は、変更前後の内容と費用も合わせて残してください。
完成後に取り出せる記録があれば、次の点検や売却時の説明にも使いやすいでしょう。
紙でもデータでも構いませんが、施主側で保存できる形を受け取ることが大切です。
担当者のスマートフォンに写真があるだけで終わらせず、どの資料を引き渡すか事前に約束しましょう。
こちらはM様邸でセネターによる屋根カバー工法を終えた屋根の写真です。
下葺きや棟まわりの工程写真と合わせることで、完成した表面とその前の作業をつなげて確認できます。
点検しやすい引き渡しにする
引き渡し時には、仕上がりの見た目だけでなく、雨樋や設備の復旧、工事範囲、保証書、連絡先を確認します。
足場が必要な箇所の確認は、解体前に業者が安全な方法で実施する段取りにしておきましょう。
施主が自分で屋根へ登る必要はありません。
気になる点は写真と場所を示して伝え、対応する内容と時期を書面で残してください。
そのうえで、次回点検の目安と、雨漏り・板金の異音などの変化が出たときの連絡方法を共有します。
工事後の相談先まで決まっていると、新しい屋根を維持する準備が整います。
完成時には「きれいになった」という感想に加えて、何を残し、何を交換したかを確認してほしいですね。
その記録が、次のメンテナンスで無駄な工事を避けるための手掛かりになります。
外壁塗装と屋根改修のFAQ
屋根改修の見積もりを検討するときに、判断が分かれやすい質問へお答えします。
Q1. カバー工法が必ず安くなる?
A. 必ず安くなるわけではありません。
既存屋根を全面撤去しない分を抑えられる場合はありますが、下地調整、屋根の形状、追加設備や部材によって金額は変わります。
同じ屋根面積と外壁塗装の仕様にそろえ、残す部分が健全であることも含めて比較してください。
Q2. 雨漏りは屋根塗装で直せる?
A. 屋根塗装だけで直ると考えないことが大切です。
塗装で保護する表面と、雨水が入る接合部や下葺き材は役割が違います。
浸入経路を確認して必要な補修を決め、その後に塗装でよいか、屋根改修が必要かを検討しましょう。
Q3. 葺き替えで野地板も全交換する?
A. 工事の名称だけでは全交換かどうかは分かりません。
既存下地の状態に応じて、残す、増し張りする、部分交換する、全面交換するなどの計画が考えられます。
見積書に書かれた施工範囲と、撤去後の傷みに対応する手順を確認してください。
Q4. 外壁塗装と同時にすべき?
A. 外壁も工事が必要で、共通作業を合理的にまとめられる場合に検討します。
屋根の改修時期と外壁の塗り替え時期が離れているなら、必要な工事だけを先にする選択もあります。
足場代の減額だけでなく、追加する工事の総額と緊急度を比べることがポイントです。
Q5. 金属屋根なら点検は不要?
A. 金属屋根でも点検は必要です。
屋根材の表面だけでなく、棟板金、接合部、固定部、雨樋や周辺設備などに確認する箇所があります。
製品の保証年数を屋根全体の無点検期間と考えず、施工記録と点検条件を一緒に保管しましょう。
屋根の状態に合う工法を選ぶ
外壁塗装と屋根カバー工法・葺き替えの費用は、工法名だけでは決まりません。
塗装で維持できる状態かを先に確認し、必要がある場合にだけ、既存屋根を残す案と撤去する案を比較することが基本です。
今の支出だけでなく、次の改修まで見据えた選択。
下地、重量、屋根形状、板金、設備、保証を同じ条件で比べると、見積もりの差額が何に対する費用なのかが分かります。
不要な工事は増やさず、必要な補修を削らないことを大切にしてください。
アップリメイクでは、外壁と屋根の状態を確認し、塗装で対応する部分と改修を検討する部分を分けてご提案します。
別の会社でカバー工法や葺き替えの見積もりを受け取っている場合も、その内容と建物の状態を合わせて検討しましょう。
屋根を塗るか、重ねるか、葺き替えるかで迷ったら
アップリメイクの無料診断で外壁・屋根の工法と見積もりを相談する
築年数、分かる範囲の屋根材、雨漏りの有無、過去の工事時期をお伝えください。
現地で確認した状態をもとに、必要な工事の範囲から一緒に考えます。




