こんにちは。
アップリメイクの齋藤直樹です。
外壁を塗るなら屋根も一緒に、と提案されることには、足場を共用できるという理由があります。
でも、屋根がまだ使える状態なら、足場代を節約するために塗装を前倒ししてよいのか、少し考える必要がありますよね。
私がおすすめしたいのは、外壁と屋根を一緒に調べてから、一緒に工事するかを決める順番です。
診断をまとめることと、工事をまとめることは同じではありません。
この記事では、同時塗装の費用を組み立てる方法、60坪の住宅で面積を読み違えないための注意点、防水も含める場合の判断を説明します。
「一緒ならお得」という言葉だけでなく、今と次回の支出を比べて選んでいきましょう。
- 外壁と屋根の料金を合算するときの注意点
- 60坪の住宅で必要になる実測面積の考え方
- 足場を共用できる費用と別に必要な作業
- 塗装・防水の時期を合わせる判断基準
同時塗装の費用は何で決まる
同時塗装の金額は、外壁の工事、屋根の工事、共通の仮設や管理、必要な補修を積み上げて考えます。
単独工事の料金を二つ足したものと、同時施工の見積もりが一致しない理由を見ていきましょう。
参考料金から予算の入口を知る
当社の外壁塗装と屋根塗装の料金プランでは、外壁の住宅規模別の参考額と、屋根の施工面積別の参考額を公開しています。
2026年9月12日時点で、外壁の高耐久シリコンプランは30坪程度で税込638,000円から、40坪程度で税込715,000円からです。
屋根のサーモアイSiプランは、80㎡で税込193,600円から、110㎡で税込266,200円からとなっています。
ただし、この組み合わせがそのままあなたの家に当てはまるわけではありません。
掲載額は標準的なモデルを想定した目安で、屋根の傷みやシーリングの施工量、特殊な仮設条件などによって変わります。
「同じ40坪なのに金額が違う」と感じたら、選んだ材料だけでなく、実際の外壁面積と屋根面積を確認してみてください。
単純合算は見積もりではない
計算の例として、外壁40坪程度の715,000円と屋根110㎡の266,200円を足すと981,200円です。
これは公開料金同士の単純合算であり、その条件の住宅を税込981,200円で一式施工できると約束する金額ではありません。
外壁プランに含む足場と屋根作業に必要な仮設の関係、現地で必要な補修、適合する塗装仕様を確認して、実際の総額を決めます。
屋根面積が140㎡であれば、同じ屋根プランの掲載額は338,800円からとなり、面積条件だけでも比較の結果が変わるでしょう。
見積もりを依頼するときは、広告の合計額を正解として当てはめるのではなく、「この料金に何が加わるのか」を聞くほうが役立ちます。
一度足した足場を再び引いてしまうなど、二重の値引き計算にも気をつけてください。
| 参考にする部分 | 公開料金の一例・税込 | 読み方 |
|---|---|---|
| 外壁・高耐久シリコン | 30坪程度638,000円~/40坪程度715,000円~ | 坪数は住宅規模の目安で、塗装面積ではない |
| 屋根・サーモアイSi | 80㎡193,600円~/110㎡266,200円~ | 実際の屋根面積と下地を確認する |
| 屋根・サーモアイSi | 140㎡338,800円~ | 60坪住宅の料金を意味するものではない |
| 外壁40坪程度+屋根110㎡ | 単純合算981,200円 | 追加補修や仮設条件を確認する前の計算例 |
全国相場と個別価格を分ける
外壁と屋根の同時塗装について、床面積だけから全国共通の適正額を決めることはできません。
地域、建物形状、屋根材、塗料、補修の程度、施工範囲が違う見積もりをひとまとめにしても、あなたの家との比較は難しいためです。
この記事の料金は当社が公開する参考例であり、全国の契約金額を集計した相場ではないことを押さえておきましょう。
平均の数字を探すより、同じ条件で作った見積書を比べたほうが、差額の理由にたどり着きやすくなります。
「屋根も全部込み」の全部に、棟板金や雨樋、防水が含まれるかも確認してください。
工事名が同じでも、塗る場所と直す場所まで同じとは限らないんですね。
見積もりは、外壁と屋根の金額を別々に見たうえで、共通作業を確認すると読みやすくなります。
「セット価格だから内訳は分からない」で終わらせないでください。
60坪でも面積は家ごとに違う
延床60坪という情報だけでは、塗装する外壁と屋根の広さは決まりません。
ここを取り違えると、小さすぎる予算にも、必要以上に大きな予算にもつながってしまいます。
建坪と延床坪数を区別する
建坪は一般に建物が地面を占める大きさを表す言い方で、延床面積は各階の床面積を合計したものです。
見積もりの相談では「60坪」がどちらを指しているか、図面の面積欄を見ながら伝えてください。
仮に各階30坪の総二階なら延床は60坪ですが、屋根が覆う建物の基本的な平面は30坪側になります。
一方、延床60坪の平屋は基本的な平面も60坪となるので、同じ延床60坪でも屋根面積の条件は大きく違うでしょう。
実際には軒の出、勾配、下屋、屋根形状が加わるため、この関係だけで塗装面積を確定することもできません。
住宅会社のパンフレットや固定資産税の資料だけで判断せず、図面と現地の両方で確認するのが確実です。
外壁の凹凸と窓の数を見る
外壁面積は、各面の幅と高さを基に、窓などの開口部や仕上げの違いを考慮して算出します。
同じ床面積でも、真四角に近い家と、出窓やバルコニーが多い家とでは、外壁の形が違います。
窓が多いほど塗る面積は減ることがありますが、その分だけサッシまわりの養生やシーリングの手間が増える可能性があるものです。
だから、塗装面積が少し小さい見積書でも、総額まで同じ比率で下がるとは言えません。
「外壁は何㎡、目地は何m、窓まわりはどこまで」というように、異なる作業を別の単位で確認しましょう。
二つの見積書で数量が大きく違うときは、どちらかを正解と決めず、測り方と含む部分を照合してください。
屋根の形と勾配を確かめる
屋根を真上から見た広さと、傾斜した屋根面の広さは同じではありません。
勾配のある面は、水平投影した面より広くなるため、地面側の寸法だけを施工面積に置き換えることはできないんです。
寄棟や複雑な形の屋根は、面積に加えて棟、谷、取り合い部分などの長さも見積もりの確認点になります。
急な勾配であれば、外周の足場とは別に屋根上で必要な仮設を検討することもあるでしょう。
確認したいのは、広いから高いという大まかな説明ではなく、どの面積と作業条件が金額に反映されたのかです。
屋根へ上がって測ろうとせず、図面や安全な調査方法から算出した資料を受け取ってください。
60坪の予算を相談するとき
当社の公開外壁料金に60坪の一律プランは掲載していないため、50坪料金をそのまま1.2倍した額を正式な料金として案内することはできません。
延床坪数、階数、屋根材、前回の工事時期を伝えたうえで、実測面積による見積もりを依頼しましょう。
広い家でも単純な形なら作業を進めやすい部分があり、小さい家でも狭い敷地や複雑な取り合いが施工条件になることがあります。
坪数は相談を始める情報、面積と仕様は価格を決める情報、と役割を分けると分かりやすいですね。
60坪という数字の先にある、実際に塗る面積。
足場を共用する本当の利点
外壁と屋根を同時に工事する利点は、塗料代が自動的に安くなることではありません。
別々の時期なら繰り返す準備や仮設の一部を、まとめられる可能性にあります。
省けるのは重なる作業の一部
同じ足場で作業できる条件なら、外壁工事と屋根工事で足場の組み立て・解体を二度行わずに済みます。
近隣への案内、資材の搬入調整なども、一つの工事期間として進めやすくなるでしょう。
ただし、外壁を塗る面積と屋根を塗る面積は減らないので、材料や塗装作業そのものが不要になるわけではありません。
費用差を説明してもらうときは、何を一回にできて、何は別々に必要かを確認してください。
外壁と屋根で養生の仕方が違う場所や、施工後にやり直す必要がある保護作業も考慮したい点です。
まとめる利点を理解するには、値引き率よりも重複作業の有無を見るほうが具体的だと思います。
同時と別々を仮定で比べる
説明のため、外壁と屋根の実作業を合計100万円、各回の共通仮設を20万円と仮定します。
同じ仮設一回で施工できれば120万円、完全に時期を分けて同じ仮設を二回設けるなら140万円という計算です。
この20万円の差は仮定した足場等の金額から求めたもので、当社の足場価格や一般的な節約額ではありません。
さらに、同時施工でも追加の屋根足場が必要なら、その費用を同時案に加えて比べることになります。
このように条件を一つずつ置くと、どの部分をまとめると有利なのかが見えてきますよ。
「必ず何十万円お得」と先に決めず、あなたの家の二つの案から実際の差額を求めましょう。
同時施工と別施工を比べるときは、塗装面積・材料・補修範囲を同じにします。
工事を減らした案との価格差を、足場共用だけの節約額として扱わないでください。
早すぎる塗装にも費用がかかる
屋根が十分に健全なのに、今の足場を使うためだけに塗装すると、まだ使える塗膜を早く更新することになります。
将来もう一度足場を設ける費用を避けられても、工事時期を前倒しする支出が本当に見合うかは別の判断です。
ここでは、屋根の次回点検や改修の目安を診断で確認したいところですね。
すでに屋根が塗装に適さない状態であれば、安い同時塗装にこだわっても根本的な対応にならない可能性があります。
一方、外壁と屋根の保護機能の低下が同時に確認できるなら、まとめて施工する意味は大きくなるでしょう。
足場代は判断材料の一つですが、工事が必要かどうかを決める出発点にはしないでください。
過去の工事履歴も判断に使う
外壁は新築時のままでも、屋根だけ途中で改修している家では、築年数と屋根の使用期間が一致しません。
反対に、外壁を先に塗り替えた家なら、今回必要なのは屋根の補修だけという組み合わせも考えられます。
前回の契約書や工事写真が残っていたら、施工年月、材料、直した部位を診断時に共有してください。
記録がない場合も、覚えている範囲を伝えたうえで、現地の状態と照らして確認しましょう。
たとえば一階の下屋だけを塗り替えた履歴があるとき、その施工日を大屋根全体の更新日として扱うのは適切ではありません。
同じ屋根の中に時期の違う部分があれば、今回の施工範囲と次の点検対象を面ごとに区別できます。
保証書がある工事については、残っている保証の範囲と、新たな作業が影響する部分を先に問い合わせておくと安心です。
「家全体で前回から何年」という一つの数字ではなく、外壁、大屋根、下屋、目地、防水の履歴を別々に見ておきたいですね。
その結果、一緒に施工する案が選ばれることも、今回は分ける案が合理的と分かることもあるでしょう。
履歴は工事を増やすためではなく、今ある性能を無駄にしないための判断材料です。
工事期間を一回にまとめる
足場や養生に囲まれる期間を一回にできることは、暮らしの面でも検討する価値があります。
二度に分けた工事のたびに、駐車位置、洗濯物、窓の開閉、在宅勤務などを調整するのは負担になり得ます。
ただ、工事をまとめれば必ず短期間で終わるとも限りません。
屋根の補修や防水が加われば工程が増え、天候による待機や乾燥時間も必要になるためです。
単独工事の日数を単純に足したり、半分にしたりせず、工程表で施工の重なりを確認しましょう。
ご家族の行事や車の利用予定を先に伝えると、時期を選ぶ際にも話がしやすくなります。
「足場があるうちに何でも工事しましょう」ではなく、「次の点検まで残せる部分はどこか」も一緒に考えたいですね。
今回は見送るという選択に理由があることも大切です。
外壁と屋根を別々に診断する
同じ家でも、外壁と屋根では材料も受ける環境も異なります。
築年数を共通の期限にするのではなく、各部位の状態を確認して施工の組み合わせを決めます。
外壁は表面と目地を確認する
色あせ、粉が付く状態、塗膜の剥がれ、ひび割れなどは、外壁の状態を知るための手がかりです。
ただし、一つの症状を見ただけで塗装の時期や工法を確定することはできません。
目地や窓まわりの隙間、外壁材の反りや浮き、雨水が関係しそうな変色なども一緒に見てください。
塗膜の更新でよい部分と、先に部材や下地を直す部分を分ける必要があります。
見積書に下地処理とだけ書かれている場合は、どの症状へどの方法で対応するのかを説明してもらいましょう。
施工後は見えなくなる補修ほど、着工前の写真と工事中の記録を残しておきたいところです。
写真は外壁の中塗り工程で、屋根を同時に施工する場合も外壁側の作業が省けないことを示しています。
両方を一緒に工事することと、一つの材料や工程で済ませることを混同しないようにしてください。
屋根は塗れる状態かを先に見る
屋根では、表面の色あせだけでなく、割れや欠け、層状の剥離、板金の不具合なども確認します。
劣化した屋根材が塗装で健全な材料へ戻るわけではないため、材料の種類と傷み方に合う提案が必要です。
塗装を行わない屋根材もあるので、「外壁を塗る年だから屋根も塗る」と一律に決めないでください。
雨漏りの相談がある場合には、塗装の見積もりとは別に、水の入口を調べる段階が必要になることがあります。
屋根全体の写真だけでなく、傷みを指摘された場所が分かる近接写真もあると説明を追いやすいでしょう。
塗装、部分補修、カバー工法、葺き替えのどれを検討するかは、状態を把握した後の話です。
材料は同じ名前でも使い分ける
外壁と屋根にシリコン系塗料を選んでも、同一の製品を両方へ使えるとは限りません。
日本ペイントの「外壁用塗料で屋根も塗装できますか」では、原則として屋根には屋根用塗料を使うことが案内されています。
見積書には外壁用と屋根用の製品名、それぞれに適した下塗り材を書いてもらいましょう。
同じ樹脂の分類であっても、対象の下地や施工の条件は製品によって違います。
屋根だけ遮熱塗料を選ぶ場合も、外壁と同じ色や同じ価格になるとは限りません。
一式のセットプランでも、部位ごとに何を採用するかが分かる説明を受けてください。
次回の時期を完全一致させない
外壁と屋根の期待するメンテナンス間隔を近づけることは、次回の費用を考えるうえで役立ちます。
とはいえ、同じ日に同程度の材料を施工したから、将来の劣化が同じ日に進むわけではありません。
屋根の向き、日射、湿気、外壁の雨がかりなど、部位の条件が違うためです。
年数は再点検を考える目安として使い、時期が来たら状態を確認して工事を判断しましょう。
外壁の保証が残っていても、屋根板金や防水の点検が不要になるものではないことも押さえたい点です。
同時施工のあとも、外壁と屋根の記録を分けて保管しておくと、次の判断に使いやすくなります。
そろえるのは工事の予定だけでなく、部位ごとの点検記録。
防水も一緒に頼むべきか
外壁と屋根の見積もりに、バルコニーや屋上の防水を追加する提案もあります。
防水は塗装と目的や施工範囲が異なるため、同時に頼む場合も独立した判断が必要です。
トップコートと防水層を分ける
バルコニーの床を塗るように見える作業でも、表面保護と防水層の更新は同じ工事ではありません。
表面のトップコートだけを更新する案なのか、既存の防水層を補修またはつくり直す案なのかを確かめてください。
防水層に不具合がある場合に、表面だけをきれいにしても必要な対応にならない可能性があります。
反対に、防水層が使える状態なら、すべてを撤去して更新する提案が適しているかを検討したいところです。
床のひび割れ、膨れ、水たまり、端部の傷みなど、どの症状を見て判断したかを説明してもらいましょう。
費用比較でも、単に防水という名前ではなく、施工する層と範囲を合わせることが大切です。
外壁との取り合いを確認する
外壁と床が接する立ち上がり、サッシの下、排水口、手すりの根元などは、工事の担当が分かれると確認が行き違いやすい部分です。
外壁塗装と防水を同時に行うなら、どちらを先に施工し、どこまで誰が仕上げるかを事前に決めておきましょう。
「塗装側でやると思っていた」「防水工事に含まれると思っていた」という認識の差を残さないことが目的です。
細部の写真や図へ施工範囲を書き込めば、あなたも説明を確認しやすくなると思います。
同時施工の利点は費用だけでなく、こうした境界部分を一つの計画で扱えるところにもあります。
ただし、同じ会社へ依頼していても作業分担が自動的に明確になるわけではないので、書面と工程を確認してください。
設備移動や養生の費用を見る
防水する場所に室外機、物置、植木鉢、床材などがある場合は、移動と復旧を誰が行うのかを相談します。
設備によっては専門の作業が必要なので、利用者が自分で移動すれば必ず安くなるとは限りません。
特に配管や電気配線へ力がかかる移動は、見積もりの前に方法を確認しておきたいところです。
塗装や防水の完了後、どの時点で物を戻せるかも使用材料や施工条件によって変わります。
最終的な費用を比べる際は、移動、保管、復旧、既存材の撤去処分の有無まで見てください。
小さな別途項目でも、複数重なれば当初考えた予算に影響することがあります。
防水や屋根工事を追加する理由が「今なら一緒にできる」だけなら、必要性をもう一度確認しましょう。
症状、工法、施工範囲が分からないまま工事を増やす必要はありません。
見積書で同時施工を比較する
比較する会社ごとに提案の形が違うと、どこが同じ条件なのか分かりにくくなります。
外壁・屋根・防水・共通作業の四つに分けて見れば、抜けている項目にも気付きやすくなるでしょう。
工事を分けた明細を受け取る
外壁には外壁の面積、屋根には屋根の面積を記載し、使用材料と工程をそれぞれ示してもらってください。
外壁の付帯部に含む雨樋と、屋根側に含む棟板金などは、塗装なのか補修なのかも区別したい点です。
すべてを「外壁屋根塗装一式」にまとめた表紙だけでは、他の提案と条件を合わせられません。
見積書の明細と現地写真を対応させると、工事の範囲を家族にも説明しやすくなります。
もし一方の見積もりに目地補修がなく、もう一方に入っているなら、先に必要性を診断結果と照らしましょう。
含まれていない費用をゼロとみなすのではなく、必要な作業を補った条件で比べることになります。
下地処理と排水の扱いを見る
外壁も屋根も、表面の汚れや不安定な既存塗膜へそのまま仕上げればよいわけではありません。
洗浄後の乾燥、必要な補修、下塗りなど、仕上げに至る工程を見積もりと施工計画で確認しましょう。
スレート屋根では、重なり部分の排水経路を塗膜で塞がないための処理が必要になる場合があります。
当社の料金ページでは、タスペーサーを使う縁切りについて、屋根の状態や隙間を確認して判断することを案内しています。
すべての屋根に同じ部材を入れると決めるのではなく、必要な理由と対象面積を説明してもらってください。
屋根材を傷めない方法で、排水と塗装の両方を考えることが欠かせません。
追加費用の判断方法を決める
足場を設けて初めて詳しく見える場所や、劣化した部材を取り外してから状態が分かる箇所もあります。
その際にどの程度の補修を想定し、追加の判断を誰が行うのかは、着工前に相談しておきましょう。
追加がある場合は、写真、変更する作業、費用、工期を提示してもらい、合意した内容を記録する流れが安心です。
「足場があるうちに」と急がされても、必要性を説明されていなければ、その場で追加する理由はありません。
逆に、雨水の侵入など早い対応が必要な問題が見つかった場合は、仮の保護と本工事を分けて判断することもあります。
想定外が起こり得ることを前提に、連絡方法を決めておくと家族が不在でも対応しやすいですね。
| 比較項目 | 外壁側で見る内容 | 屋根・防水側で見る内容 |
|---|---|---|
| 施工量 | 塗装面積・目地の延長 | 屋根面積・防水面積・端部 |
| 材料 | 外壁用上塗り・下塗り | 屋根用塗料・防水の工法 |
| 補修 | ひび割れ・目地・外壁材 | 屋根材・棟板金・排水まわり |
| 共通作業 | 足場・飛散対策・搬入 | 屋根足場や追加設備の有無 |
| 完成確認 | 色・塗り残し・補修記録 | 工程写真・排水処理・復旧 |
| 契約条件 | 保証対象・支払時期 | 部位ごとの保証・追加条件 |
比較先の会社にも、外壁、屋根、防水を同じ区分で出してもらうと違いが見えます。
金額が違ったときは、「どの作業が違うのか」を先に聞いてみましょう。
工期と品質を両立させる
外壁と屋根を同時に頼むとしても、塗装の乾燥や作業条件まで省略できるわけではありません。
工期の短さだけで選ばず、無理なく施工できる工程かを確認しましょう。
天候による変更を見込む
日本ペイントの外壁・屋根塗装の気温や湿度に関する案内では、気温5℃以上、湿度85%未満が一般的な施工条件として示されています。
同じ案内には、朝の冷えた塗装面や夕方の結露、夏の高温になった屋根面にも注意が必要とあります。
この数字だけを満たせば必ず施工してよいという意味ではなく、使う製品の仕様と実際の下地の状態を合わせて判断するものです。
雨で止まった分を取り戻すために、必要な乾燥時間を飛ばす計画にはしないでください。
工程表には予定の作業だけでなく、天候で変更した場合の連絡や生活上の制約も確認しておくと役立ちます。
季節だけで工事の可否を決めるより、当日の状況へ対応できる管理があるかを見たいところです。
工程写真を部位別に残す
同時塗装では作業が複数の場所で進むため、完成後の外観写真だけでは途中の施工が分かりません。
屋根の補修、下塗り、中塗り、上塗り、外壁の目地処理など、確認したい工程をあらかじめ相談しておきましょう。
写真は枚数が多ければよいのではなく、どの部位をどの段階で撮影したかが分かることに意味があります。
あなたが屋根へ上がらなくても確認できるよう、撮影位置や施工内容を説明してもらってください。
材料の製品名、色、使用した仕様などを工事記録と一緒に保管しておけば、後から部分補修が必要になったときにも役立つはずです。
工事を一回にまとめた場合こそ、記録までひとまとめの「塗装完了」で終わらせないようにしましょう。
完成時の確認を分けて行う
外壁の見た目がきれいでも、屋根の補修や防水の復旧まで確認が終わったとは限りません。
見積もりの各項目に沿って完了を確認し、変更した部分があれば最終書面へ反映してもらってください。
塗り残しや仕上げだけでなく、養生の撤去、設備の復旧、敷地内の清掃、残材の扱いも確認したい点です。
保証書を受け取る際は、外壁塗膜、屋根塗膜、防水、補修部分がそれぞれどの対象になるかを見ましょう。
施工会社の保証と材料の保証が別なら、問い合わせる窓口も残しておくと迷いません。
次回の点検は部位の状態に応じて考え、今回まとめたから今後も必ず同時、と固定しないことが大切です。
工事を終える日から始まる、次のメンテナンスの準備。
外壁・屋根同時塗装のFAQ
同時施工の判断でよく迷う点を、費用、材料、時期の違いに分けてお答えします。
Q1. 外壁と屋根は必ず同時に塗る?
A. 必ず同時に塗る必要はありません。
両方の劣化状況と塗装への適合性を確認し、改修時期が近い場合に同時案を比較します。
屋根がまだ健全なら、足場代だけを理由に塗装を前倒しせず、次の点検時期を決める方法も選べます。
Q2. 60坪なら料金は単純に倍になる?
A. 床面積の比率だけでは決まりません。
外壁面積、屋根面積、建物形状、目地の延長や補修範囲が異なるためです。
各階の床面積と屋根の形が分かる図面を用意し、現地で必要量を確認した見積もりを比べてください。
Q3. 足場代はどれくらい節約できる?
A. 共用できる足場の範囲によって異なり、一律の節約額は示せません。
同じ材料と施工範囲で、同時案と別施工案を作って比較するのが分かりやすい方法です。
屋根足場などの追加があるか、足場費がどの工事に含まれているかも確かめましょう。
Q4. 防水工事も追加したほうがよい?
A. 防水の状態を確認して、必要な場合だけ追加を検討します。
トップコートの更新と防水層の再施工は別の工事なので、症状と目的を合わせることが大切です。
外壁との取り合いや設備移動まで計画すると、同時施工の利点を生かしやすくなるでしょう。
Q5. 外壁と屋根は同じ塗料でよい?
A. 同じ樹脂の種類でも、原則として部位に適した製品を使い分けます。
屋根材と外壁材の適合下地、下塗り材、使用条件をそれぞれ確認してください。
価格だけでなく、次回の点検や補修まで含めた材料の選択が必要です。
一緒に調べてから工事を決める
外壁と屋根の同時塗装は、共用できる足場や重なる準備をまとめることで、費用と生活上の負担を抑えられる可能性があります。
ただし、その利点は両方の工事が適切なタイミングにあるときに生きるものです。
同時施工を前提に工事を増やさず、各部位の診断結果から組み合わせを考えてください。
60坪の住宅でも、床面積だけの概算から一歩進んで、実測面積と仕様を確認することで予算の見通しが立てやすくなります。
外壁を相談したついでに、屋根の状態も知っておくことには意味があります。
そのうえで今回は外壁だけ、両方とも施工、防水も含めるという選択肢から、あなたの家に合う計画を選びましょう。
外壁と屋根を一緒に塗るべきか迷っている方へ
アップリメイクの無料診断では、各部位の状態と施工面積を確認して、必要な工事と費用をお伝えします。
同時施工と別施工の違い、防水を含める必要性、ご予算を相談しながら、納得できる範囲を選んでください。




